
ケアマネジャーの皆さん、こんにちは!
14年間居宅介護支援一筋の主任ケアマネゆーりです。
皆さんの事業所では、支援経過の書き方に決まったルールはありますか?
多少のルールはあったとしても、書くボリュームについてはケアマネによってバラバラな事業所も多いのではないでしょうか。
実はこの支援経過、書き方ひとつで残業時間にかなり影響を及ぼすものなのです。
今回は、日々の業務の中でも特に時間を取られがちな支援経過記録についてのお話をしたいと思います。
この記事はぜひ、ケアマネ歴1~2年の新人ケアマネさんに読んでほしいのです。
なぜならケアマネ歴を重ねるほど、支援経過の書き方を変えるのは難しくなるからです。
私がそう思う理由や、効率的に支援経過を書く方法、記録するべき内容について解説していきたいと思います。
この記事を参考にして、ワーク・ライフ・バランスが充実しているケアマネを目指しましょう!
支援経過記録のボリュームが大きいケアマネは残業が多い

私の事業所は支援経過の書き方に特に決まったルールはなく、ケアマネによって書き方はバラバラです。
理由は法人内での異動が多く、新人ケアマネのときに誰に教わったかによって違いがあるのだと思います。
異動してきたケアマネが、3か月分の支援経過を20ページにも及んで記録しているのには驚きました。
他にもデスクにいるほとんどの時間、キーボードを叩き続けているケアマネ。
どちらも主任ケアマネを取得しており、経験は十分に積んできた人達です。
私のこれまでの経験から、このようなケアマネさん達には以下のような共通点がありました。
- 不要なことまで書いている自覚がない
- 必要なことを書き忘れる
- 利用者の支援経過でなく、自分の行動を記録している
- メモが苦手、忘れないために急いで記録する
- 支援経過を優先することで期限のある業務ができずに残業する
新人ケアマネ時代に、このような主任ケアマネの指導を受けると自分も同じようになってしまうかもしれません。
何年もケアマネを続けていると支援経過の書き方に自分なりの型のようなものが定着してしまい、それを直すのが難しくなっていきます。
実は私自身も支援経過が長くなりがちな一人です。
いちおう自覚はあるので、必要なことは簡潔に書き、不要なことはキーワードでメモを残すように心がけています。
効率的な支援経過の書き方

では、どうすれば効率的に、かつ質の高い支援経過が書けるのでしょうか。
ポイントは以下の3つです。
5W1Hを意識した「事実ベース」の記録
支援経過は【誰が(Who)】【いつ(When)】【どこで(Where)】【何を(What)】【なぜ(Why)】【どのように(How)】行ったかを明確に記録するとわかりやすいです。
長文がダメで短文が良いというわけではありません。
誰が見てもわかりやすく客観的に記録することを心がけましょう。
- NG例:「〇〇さんが困っていたので病院に連絡した。(「困っていた」は主観的)
- OK例:「〇月〇日、○○様より受電。『最近体調が優れず食欲もない』と相談があったため、主治医に状況を報告し受診を促した。
効率的な支援経過は「書く前に整理」「型で書く」
伝えたいことは簡潔に、しかし具体的に記載することが大切です。
- 出来事(何があったのか)
- 対応(どうしたのか)
- 評価・次回への視点
支援経過の見出しやタイトルにキーワードを入れると後で見返すときに探しやすくなります。
例えば「緊急入院」「サービス変更」「家族より〇〇の相談」など。
複数の情報を羅列する際は、箇条書きにするのもわかりやすいですね。
この流れを意識すると、短くても要点が伝わる記録になります。
支援経過テンプレート(例)
日時:2025年7月30日 14時~14時20分
タイトル:モニタリング・通所リハ利用時間の相談
内容:利用者宅を訪問し、利用者と面談。※別紙:評価表を参照
- 整形外科受診後より痛み止めの内服を服用しているが、右足の痛みが治まらず。
- 排泄など、日常生活動作は痛みがありながらも可能。
- 本人より通所リハの利用には満足しているが、右足の痛みにより短時間の利用で様子を見たいと意向あり。(入浴支援要)
- 通所リハ事業所に短時間利用の可否を確認予定。短時間利用不可の場合にはベッド臥床させてもらうなどの対応を相談することで本人承諾。
所見:右足の痛みが継続しており、通所リハの利用について調整の必要あり。痛み増悪の場合は再受診必要。
支援経過にありがちな非効率な書き方
支援経過にありがちな非効率な書き方の一例です。
非効率な書き方の一例
- サービス担当者とのやりとりをダラダラと書く⇒結論にたどり着くのに時間がかかる
- 逐語録が多すぎる⇒逐語録は利用者・家族の重要な発言だけにする
- 上司に確認したことや報告したことまで書いている⇒不要
上記のように漠然と起こった出来事を羅列してしまうと、以下のような問題が生じ、結果として残業の原因になってしまいます。
- 必要な情報を見つけるのに時間がかかる
- 同じような内容を何度も記載してしまい無駄な時間を費やす
- 運営指導前の確認作業に時間がかかる
【運営指導対策】支援経過に記録すること

支援経過には必要なことを書き、必要でないことは書かない。
これが効率的な支援経過の書き方ですが、運営指導を見据えて、必ず記録しなければならない内容があります。
運営指導とは質の向上を図るために行政の担当者が介護事業所を訪問し、書類や現場を確認します。通常は事業所の指定期間(6年)に1回以上行われる行政指導。
以下に、場面ごとに記録しなければならない内容をまとめておきます。
初回訪問~アセスメントのときに支援経過に記録すること
サービス担当者会議のときに支援経過に記録すること
モニタリングのときに支援経過に記録すること
その他の場面のときに支援経過に記録すること
まとめ

支援経過の記録は、日々の業務の中で見過ごされがちですが、ケアマネ業務効率化には欠かせない要素です。
支援経過を書くボリュームが大きいケアマネは、かなりの確率で残業が増えます。
効率的に、かつ質の高い支援経過を書くには、新人ケアマネのうちから意識して身につけることが大切です。
それは経験を重ねるごとに、自分流の型が定着してしまい直せなくなるケアマネが多いからです。
ダラダラと書くのではなく、必要なこと・必要でないことを理解して記録していくことが、運営指導対策にも繋がっていきます。
運営指導では、記録がないとやっていないと見なされてしまうこともあるのです。
ボリュームのある支援経過だったとしても、必要な記録がないと悲しい結果になってしまうかもしれません。
新人のうちから意識して取り組み、ワーク・ライフ・バランスが充実しているケアマネを目指しましょう!
余談ですが、もうすぐ私はケアマネ歴3回目の運営指導を受ける予定です。
運営指導が終わった後、また皆さんに役立つ情報を発信できればと思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

【ケアマネplusライター】では、新人ケアマネさんを応援しています!
これからも皆さんに役立つ情報を発信していきますので、是非、またブログをのぞいてみてくださいね。