介護保険を利用している方が、就労継続支援(A型・B型)も利用したいと言っている。
でも、「これってケアマネの仕事?」「どうしたらいいのかわからない…」
ケアマネジャーとして実務にあたっていると、こうした「介護保険+障害福祉の併用」というイレギュラーなケースに直面し、戸惑うことも少なくありません。
私は居宅ケアマネ歴14年の主任ケアマネジャーです。現在進行形で3件の就労継続支援を位置づけたケアプランを作成しています。
就労継続支援のプランをケアマネが作成するかどうかは、自治体によって違いがあるようです。
今回は、利用者が就労継続支援を希望し、あなたの自治体から「ケアプランに就労継続支援を位置づけて提出してください」と依頼が来たときに “役立つ知恵袋” として、私の経験をまとめておきたいと思います。
筆者「ネットで検索しても、なかなか答えが見つからない」と困っているケアマネさんは、ぜひ、最後まで読んでみてくださいね。
そもそも就労継続支援A型・B型ってなに?どう違うの?
就労継続支援とは、一般就労が難しい障害者の方へ働く場所を提供する障害福祉サービスです。
事業所と雇用契約を結んで働くA型と、雇用契約を結ばないB型があります。
| A型 | B型 | |
|---|---|---|
| 雇用契約 | 契約あり | 契約なし |
| 報酬形態 | 給与(最低賃金保障あり) | 工賃(最低賃金保障なし) |
| 対象年齢 | 原則18歳~65歳未満 | 年齢制限の上限なし |
| 勤務形態 | 勤務日数・時間がある程度固定 | 体調に合わせて自由に調整可 |
介護保険サービスを利用中の方は、B型の利用を希望されることが多いと思います。
就労継続支援B型は、雇用契約なしの障害福祉サービスなので、給与ではなく工賃という形で報酬が支払われます。報酬額は事業所によって異なりますが、少額です。そして、世帯所得によっては利用料が発生する場合もあります。
ケアマネが就労継続支援のプランを立てる必要があるの?
ケアマネが就労継続支援のプランを位置づけるかどうかは、自治体のルールによって変わります。
| 障害福祉サービスのみ | 介護保険と障害福祉サービスを併用 | |
|---|---|---|
| 計画作成者 | 相談支援センターなどに所属する相談支援専門員もしくはセルフプラン | 自治体によって異なる パターン①:介護保険はケアマネ、就労継続支援は相談支援専門員もしくはセルフプラン パターン②:介護保険はケアマネ、就労継続支援はケアマネもしくはセルフプラン |
利用者が就労継続支援を希望するときは、最初にあなたの自治体のルールを確認するようにしましょう。この記事は、パターン②を解説しています。
セルフプランは、「難しくてわからない」と言う方も多いと思います。なので、ケアマネがついていれば、自治体の障害福祉課より「ケアプランに就労継続支援を位置づけて提出してください」と言われることが多いのです。
ケアマネが就労継続支援B型をケアプランに位置づける流れ
ケアマネが就労継続支援B型を位置づける流れは、自治体によって、もしかしたら違いがあるかもしれません。
ここでは、私の自治体の手順をご紹介します。参考までに見てください。
実際に支援では、必ずあなたの自治体に確認してから行ってくださいね。
利用者自身で問い合わせできる場合は、自分が対象になるかどうか確認してもらいましょう。
見学可能な事業所が多い。体験ができるところもあります。
利用申請後、障害福祉課の担当者が利用者に面談し、聞き取り調査を行います。
障害福祉課より、ケアマネにケアプランの提出依頼があります。
この時にサービス担当者会議を行う必要があるかどうかは、ご自身の保険者に確認してください。
ちなみに、私の地域ではサービス担当者会議は開催せず、利用中の介護保険サービス事業者に意見照会をしたうえで、ケアプランに就労継続支援B型を追加しています。
受給者証が交付されると、正式に就労継続支援B型の利用ができるようになります。
利用する就労継続支援B型事業所にも、ケアプランを交付します。
障害福祉サービス受給者証の更新時期が来ると、障害福祉課より再度ケアプランの提出依頼があります。
ケアプランに位置づけているので、必然的に就労継続支援B型のモニタリングもすることになります。私は、毎月こんな感じで利用者に確認しています。
- 休まずに通っていますか?
- 内容に満足していますか?
- このまま継続してもいいですか?
【率直な感想】就労継続支援A型はケアマネには難しい

私は現在、A型1名、B型2名の利用者を担当しています。介護保険利用者のA型利用は、稀なケースです。
ケアマネの感覚では、雇用契約のないB型事業所は、「デイサービスのような所で、いろんな年代の方と作業を通じて交流する」といったイメージができます。
でも、雇用契約のあるA型を希望する利用者は、
- 就労意欲が高い
- 仕事にこだわりがある
- 経済的な安定を目指している
このような方が多いと思います。
ケアマネが参加する障害福祉サービスの研修は、介護保険サービスに上乗せ(主に重度訪問介護など)・横出し(同行援護など)の内容が比較的多く、就労継続支援について学べる機会はほとんどありません。
仕事内容や職場の人間関係に問題が発生したとき、ケアマネで対応できるのか…
筆者「障害者の就労」。私では知識不足。利用者に適切なアドバイスができる自信がない…
私はA型の方のみ、障害福祉課に交渉し、プラン作成や仕事に関する支援は相談支援専門員にお願いしています。
筆者利用者にとって誰が支援するのがベストなのか?という視点も大切にしたいです。
ただ、その利用者にとって仕事が生活の糧であることは間違いありません。私が作成するケアプランにも、「相談支援専門員やA型事業所との連携」という形で位置づけています。
【就労継続支援】ケアプランの文例
私がこれまでに作成したケアプランの文例をご紹介します。
筆者就労継続支援自体が少ないので、文例は少なめですが💦
この文例を参考に、よかったらアレンジして使ってくださいね。
【ケアプラン1表】総合的な援助の方針
- 社会との繋がりを増やし、様々な交流ができるよう支援いたします
- 就労継続支援B型事業所を利用して、メンタル面の安定を図り、地域に馴染んで生活できるようにしましょう
- ご家族と経済的に安定した暮らしができるよう、相談支援専門員と連携を図り、生活を見守ります
【ケアプラン2表】ニーズ
- 年代を問わず、社会との繋がりを持ちたい
- 就労継続支援B型事業所に通って、地域に馴染んで暮らしたい
- 家族2人で安心できる暮らしをしたい。その為に可能な限り仕事を続けたい
【ケアプラン2表】長期目標
- 生活の幅が広がり、充実感が得られる
- 穏やかな毎日を過ごす
- 経済的に安定した暮らしができる
【ケアプラン2表】短期目標
- 作業を通じて様々な人と交流できる
- 生活リズムを整え、気分転換ができるようにする
- 日々の生活に困らずに過ごすことができる
【ケアプラン2表】サービス内容
サービス内容は就労継続支援事業所に問い合わせて、記載するようにしましょう。
- 内職作業
- ブーケやドライフラワー等の制作
- 在宅ワークの提供
- (ざっくり書くなら)本人の心身状況に合った仕事の提供
筆者どれもシンプルに作っていますが、障害福祉課から指摘や修正依頼が来たことはありません。
まとめ:利用者が希望する就労継続支援を叶えたい

利用者が就労継続支援を希望し、自治体から「ケアプランに就労継続支援を位置づけて提出してください」と依頼が来たとき、「これってケアマネの仕事?」「どうしたらいいのかわからない…」と、私も最初は戸惑いました。
- 専門外だからわからない
- 研修など学べる機会がほとんどない
でも、自治体が決めたルールに従わないと、利用者は就労継続支援を利用できません。
- 自治体のルールを確認し、ケアマネがプラン作成なら2へ
- 相談支援専門員がプラン作成なら連携を図るだけでOK
- 自治体の障害福祉課に就労継続支援B型が利用できるか確認する
- 利用者が利用したい就労継続支援B型事業所を決める
- 利用者が障害福祉課に利用申請、手続きをしてもらう
- この記事の文例を参考に、ケアプランに就労継続支援B型を位置づけて提出する
- 利用者に障害福祉サービス受給者証が交付され、利用開始
- 毎月のモニタリングで利用状況を確認する
- 就労継続支援B型事業所にケアプランを交付する
- 受給者証の更新時期が来たら、障害福祉課にケアプランを再提出する
雇用契約がある就労継続支援A型は、障害者の就労について専門的な視点や知識が必要な場面も出てくるのではないかと思います。誰がプラン作成を含む就労支援をするのがベストなのか?自治体の障害福祉課に相談するようにしましょう。
私は現在、3名の方の就労継続支援のケアプランを作成していますが、利用者の方達が「働く場所」を得て、生活に新たなハリが生まれている姿を見るとうれしく感じます。
この記事で紹介した手順や文例が、日々忙しく現場を走るケアマネジャーの皆様の役に立ち、就労継続支援を希望する利用者へのより良い支援に繋がれば幸いです。
ご紹介した文例以外に、もっとその方に合うしっくりくる言葉がないかな?と思った方は、AIを活用してみてはいかがでしょうか?よかったらこちらの記事を参考にしてくださいね。

本記事に記載されているノウハウおよび手順は、筆者(主任介護支援専門員)の長年の実務経験と、特定の地域・事例における解釈に基づくものです。介護保険法、運営基準、地域の条例、および各保険者(市町村)の解釈は常に更新・変更される可能性があります。個別の判断や法的な解釈については、必ず所属法人の指導者、専門機関、または関係自治体にご確認のうえ、ご自身の責任においてご活用ください。

