2025年ケアマネの更新研修が廃止の方向で動き出し、「2026年はどうなるんだろう?」と注目しているケアマネの皆さんは多いのではないでしょうか。
令和7年12月25日付け社会保障審議会・介護保険部会で出されている資料に、ケアマネジャーの法定研修見直しについて具体的な「案」が示されています。
参考:第133回社会保障審議会介護保険部会・介護保険の見直しに関する意見(案)参考資料
2025年6月に私は「もう声をあげてもいいですか?私はケアマネジャーの更新研修廃止に賛成します」という記事を書きましたが、今回の資料から見えてきた「光」と「疑問」を現役ケアマネである私独自の視点で深掘りしたいと思います。
結論を先にお伝えしておくと、私は少なからず、この資料をポジティブに受け止めています。
あくまでも個人の見解になりますが、この資料を深掘りして、結論に至った理由をお話します。
ケアマネの皆さんも、是非一緒に考えていただけたらと思います。
【ケアマネジャー法定研修の見直し(案)】 図解にしたら見えてきたこと
この資料を深掘りするために「ケアマネジャー法定研修の在り方」の箇所(P114)を図解に落とし込んでみました。

国はケアマネジャーの資質の確保・向上を図りつつ、受講者の負担軽減が図れるよう法定研修の在り方を検討しています。
私は、この図解で「光」に思えたことを青字、「疑問」に感じたことを赤字にしてみました。
法定研修見直し(案)で「光」に感じたこと
図解の青字、上から順番に考えたいと思います。
全国統一的な実施が望ましい科目について、国レベルで一元的に作成

資料では、「研修の質の確保・費用負担の軽減の観点から、全国統一的な実施が望ましい科目について、国レベルで一元的に作成することを検討している」とあります。
私は、昨年度に更新研修課程Ⅱ、今年度は主任更新研修、2年連続で法定研修を受講しています。
研修の中で、毎回講師がテキストを読み上げる動画を見る時間がありました。
1ページにつき、講師のひと言アドリブが2~3入りますが、為になるアドリブかというと決してそうは思えず、「テキストは自分で読んだ方が早いし、この時間をもっと有効的に使いたい」と思ってしまいました。
また、ケアマネの資格試験は全国統一のはずなのに、更新研修は都道府県によって、講師によっても質の差があるというのも腑に落ちないところです。
そういう観点からも、国レベルで一元的に作成するという案は「光」に思えました。
オンライン受講が主流になっている今、決して難しいことではないと思います。
都道府県は、研修の実施状況や受講者の満足度等の丁寧な把握に努める
私がこの介護保険部会の資料で一番の「光」、ポジティブに受け止められたことは、この「受講者の満足度等の丁寧な把握に努める」という一文です。
私は以前の記事「もう声をあげてもいいですか?私はケアマネジャーの更新研修廃止に賛成します」の最後のまとめに「誰もが安心して意見を言える環境を作ってほしい」と書きました。
今まで意見すら言えなかったという環境からの、これは大改革だと感じています。
今回の議論で法定研修の在り方を見直しても、ケアマネの従業者数は増えないかもしれない。
それは、最初に「更新研修廃止」というのが大々的に出たけど、結局「研修義務は残るんだ」という話になり、「あ~、やっぱりね」という失望感を多くのケアマネや、ケアマネになろうか悩んでいた人にも与えたんじゃないかと思うからです。
ただ、それでも「受講者の満足度」として、意見が言える環境になったことで、少しずつでも良い方向に向かっていける希望の「光」を感じました。
この案が通れば、もう声をあげていいんです。
都道府県のケアマネ協会は国の指導のもと、聞く耳を持ってくれるということですね。
分割受講の仕組み作り
今まで決められた研修日程の1日、いや数分でも抜けてはいけなかった。
自分だけでなく子供の体調も崩せない、もしも身内に不幸があって研修に参加できなければ資格更新ができない..という不安から解消されます。
定期的な研修の義務は残るようですが、分割受講ができるだけでも本当にうれしく思います。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、これで「ケアマネ個人個人の尊厳が守られる」という想いです。
法定研修見直し(案)で「疑問」に感じたこと
図解の赤字で書いた部分について、私の「疑問」を率直にお話します。
“教育訓練給付制度等の活用を引き続き周知”ってなに?

この図解を作りながら、「えっ、”教育訓練給付制度等の活用を引き続き周知”ってなに?」と意味がわかりませんでした。
インターネットで調べてみると、「教育訓練給付金(一般・特定一般)は厚生労働省の全国共通制度ですが、ケアマネ更新研修が給付対象になるかどうかは、都道府県や研修団体ごとに異なる」ということでした。
愛知県、静岡県、高知県ほか…受講者本人が支払った研修受講料の50%相当がハローワークから支給されるようです。
もちろん、知らなかったぐらいなので、私の地域は実施されていません。
ここでも地域格差があると思うと本当に残念です。
全国一律のサポートを求めたいです。
結局、受講者の費用負担は残るんですか?
教育訓練給付制度に気を取られていましたが、「引き続き周知」ということは、結局、受講者の費用負担は残ると考えてよいのでしょうか?
私の以前の記事「もう声をあげてもいいですか?私はケアマネジャーの更新研修廃止に賛成します」で、2025年10月27日最新情報として重要追記をあげています。
その中で、「時間的・経済的・そして大きな精神的負担、これらがすべて排除されなければ、意味がありません」と書きました。
この資料から、時間的・精神的負担の軽減は「光」として希望が見えましたが、経済的負担に関しては、地域医療介護総合給付金と教育訓練給付制度は活用するけれど、少なからず残るというように見受けられます。
受講者の費用負担はおそらく減るけど、違うところからお金が出る。
違うところからお金が出ることで、違うところにしわ寄せが出るんじゃないか。
法人(事業所)負担にしたとしても、経費がかさんで雇用者の報酬に影響しないか。
受講者ではなく、法人(事業所)に負担をかけても、結局は雇用者に負担がまわってくるような気がしています。
この資料の123ページには、各都道府県の「令和5年度介護支援専門員の法定研修受講者負担」の金額が載っています。
この地域格差にも驚くところですが、集めた研修費用の総額と研修にかかった経費の内訳が知りたいと思ってしまいました。
まとめ:受講者の声が届く未来へ

今回は、令和7年12月25日付け社会保障審議会・介護保険部会で出されている資料をもとに、自作の図解から見えてきた「光」と「疑問」を現役ケアマネである私独自の視点でお話しました。
あくまでも、私個人の見解であり、違う意見の人もたくさんいると思います。
忘れてはいけないのが、そもそも更新研修廃止の議論は、高齢者の増加に対しケアマネの従業者数が横ばい・減少傾向であること、現在のケアマネの年齢構成を踏まえると、10年以内にケアマネは急激に減少するという課題を解決するために始まったこと。
研修の義務や経済的負担が残ることで、この課題が早々に解決される見込みは少ないのではないかと思っています。
でも、冒頭にもお伝えしましたが、私は少なからず、この資料をポジティブに受け止めています。
それは「受講者の満足度」として、意見が言える環境になったということが、とても大きいと感じるからです。
私たちケアマネの声が制度を変えていく第一歩になると信じて、年々の改善に期待したいと思います。
今回取り上げた介護保険部会の資料には、ケアマネのシャドーワークについても言及されています。
法定研修の見直しが検討される一方で、私たちケアマネも日々の業務を見直し、利用者と向き合う時間を大切にしたいですね。ケアマネplusライターでは、CanvaやAIを使った具体的な時短術も紹介しています。


