2026年の今、ケアマネジャーの業務やその在り方は大きな転換期を迎えていると感じています。
私は居宅ケアマネ歴、もうすぐ15年の主任ケアマネジャーです。
私のブログ、ケアマネplusライターでは、これまで厚生労働省の資料をもとに、「更新研修」や「シャドーワーク」について取り上げてきました。
参考:第133回社会保障審議会・介護保険部会 参考資料について|厚生労働省
厚労省の資料には、今後、AIによるケアプラン作成についても支援していくことが謳われています。
この先、事務負担が軽減され、ケアマネにとって働きやすい環境になるのではないかと期待してしまいます。
ただ、私はこの資料を見たとき、ふと、ある疑問が頭をよぎったのです。
それは、AIによるケアプラン作成が当たり前になった10年後を考えたとき、
- ケアマネの価値はどこに残る?
- 報酬化された「今でいうシャドーワーク」が主な業務になる?
- 便利屋的業務が増えたケアマネに将来のなり手はいる?
という自分の中での疑問というか、不安。
これまで、散々「ケアマネの質」と言われてきた「専門性」の部分が、利用者のあらゆる困りごとに対応する「柔軟性」にシフトしていくんじゃないかと思ったのです。
未来はわからないので、結局、答えは出ないのですが、私はケアマネという仕事が好きなので、今回は、私の頭の中の疑問と不安を皆さんに公開したいと思います。

【2026年】AIがケアプランを作る時代に突入する
厚労省の資料にある通り、AIによるケアプラン作成支援は、ケアプラン連携データシステムの更なる普及と共に、ケアマネ業務の効率化の柱としてあげられています。
そして、インターネットで調べると、多くの企業がこのシステム作りに参画しています。
私は過去に、とある企業の「AIケアマネジメント支援システム」の説明会に参加したことがあります。
今はまだ、あくまでAIはケアプランの選択肢を提案するものであって、手直しや最終的な判断をするのはケアマネ。
ただ10年先を考えると、AIはさらに学習データを蓄積して、ほぼ完成形に近い形でケアプランを作り上げることができるようになるのではないかと思います。
ケアマネは、それを最終確認するだけに…
将来、ケアマネの価値は専門性から柔軟性へ?

厚労省の資料から、私の頭にふとよぎった疑問と不安。
ここでは、その疑問と不安について詳しくお話したいと思います。
ケアマネの専門性はAIへ?
ケアマネが当たり前のようにAIを活用してケアプランを作成するようになると、ある意味AIに依存的になってくるんじゃないかと私は予測しています。
「AIケアプランで上手くいった」というケアマネの成功体験が、それを加速させていく。
「適切なケアマネジメントの手法」なんて頭に入れていなくても、AIがそれに沿ったケアプランを作成してくれるようになるでしょう。
「ケアマネジメントの質」にあたる専門性は、きっとAI任せになるのではないでしょうか。
ケアマネジメントでAIができないこと
AIがいくら進化しても、ケアマネにしかできないことも確かにあります。
- 利用者や家族の「感情」を読み取る
- 利用者・家族間の「葛藤」を調整する
利用者や家族に向き合い、心のケアや家族間の調整をして、意思決定を支援する。
AIができない対人援助には、ケアマネの価値が残るのではないかと思います。
ケアマネの価値は、法定外サービスにも対応する柔軟性へ?
ケアマネがAIで事務負担を軽減し、対人援助に軸を置くようになれば、より利用者や家族の課題に向き合うことが求められるのではないかと思います。
厚労省の資料にもある通り、
- 頼れる身寄りがいない高齢者
- 複合的な課題を抱える高齢者
は、今後も増加していきます。
このような高齢者は、「制度の隙間にある困りごと」をたくさん抱えている。
これまで多くのケアマネ、私もですが、この困りごとをシャドーワークとして対応してきました。
この先、これらのシャドーワークが報酬化やインセンティブ化された法定外サービスとして位置づけられることを考えると、国も利用者も、ここをケアマネに求めているような気がします。
利用者や家族の心のケアなどの対人援助、報酬化された法定外サービス、利用者や家族に向き合う時間を増やし、より柔軟に対応できるケアマネが求められる。
ケアマネの中には、「シャドーワークをするケアマネがいるからよくないんだ」という意見を持つ人もいますが、逆にこういう動きができるケアマネの方が価値があがるのかもしれません。
便利屋的業務が増えたケアマネに将来のなり手はいる?

もし、報酬化された法定外サービスが、ケアマネ業務の多くを占めるようになってくれば、どうなるでしょうか?
現在、厚労省資料に事例としてあげられている法定外サービスは、
- 郵便・宅配便の発送・受取
- 書類作成・発送
- 代筆・代読
- 救急搬送時の同乗
誰かがやらなければ困るけど、専門職である必然性は薄い。
法定外サービスが、今後どこまで膨らむのかはわかりませんが、雑用化して「便利屋的業務」になると、ケアマネの仕事に魅力を感じる人は、少なくなるのではないかと思っています。
ケアプランのAI活用に答えが出ないもどかしさがある

私のブログ、ケアマネplusライターでは、ケアマネ業務にAIを活用する記事も書いています。
でも、ことケアプランに関して私がAI活用に肯定的でない理由のひとつとして、ケアマネの行く末が不安ということ。
業界の方がインターネットの記事で、「AIが進化してもケアマネの専門性は残ります」と断言されればされるほど、もどかしい気持ちは晴れないまま…
「AIでケアプラン作成が楽になる。やったー!」と、私は素直に喜べないのです。
ケアマネの「専門性価値」を残すためには?
ケアマネの「専門性価値」を残すために、私が考えたこと。
- AIを活用しながら、AIに依存しないケアプラン作成の研修
- 制度の隙間を埋める社会資源の創出
- ケアマネが担う法定外サービスの精査と仕組み作り
AIは便利だけど、依存しないことを前提にする。
でも、10年先のAIの進化を考えるとやっぱり不安です。
なぜならAIは、今でも質問の文脈を読んで、人の気持ちに寄り添った回答をしてくるから…
先日私が参加した主任ケアマネ更新研修で、講師が「この地域課題についてAIに聞いてみたら、的を得た答えをくれました」とその内容を紹介しているのを聞き、余計に不安が倍増してしまいました。
未来のケアマネの行く末に、私の答えは出ないのです。
まとめ:この先もケアマネの仕事が魅力あるものでありますように

今回は、厚労省の資料から、AIによるケアプラン作成支援が進められることについて、簡単には喜べない私の頭の中を公開しました。
ケアマネの行く末、10年後を考えたとき、
- AIに依存するケアマネが増え、今ある専門性が失われるのではないかという不安
- 頼れる身寄りがいない高齢者や複合的な課題を抱える高齢者が増え続ける中で、ケアマネの価値は報酬化された法定外サービス(便利屋的業務)に移行していくのではないかという不安
- そして、そんなケアマネの仕事に魅力を感じる人が少なくなるのではないかという不安
私の頭の中はこうなっていて、そして答えは出ないのです。
ケアマネ業務の在り方は、今、大きな転換期を迎えていると感じています。
良い方向に向かうのか、そうでないのか、もどかしい気持ちのまま…
10年後、私はケアマネを卒業しているかもしれないけど、15年も続けてきたこの仕事が、この先も魅力あるものであってほしいと願っています。

